看護師が着用するユニフォームは、白衣というイメージを持つ人も多いでしょう。現在でもナースキャップにワンピースの白衣を採用している医療機関はありますが、少数に留まっているのが実情です。近年では、多くの医療機関は上下が分かれているパンツスタイルの看護師のユニフォームを採用しています。カラーリングも白色に限らず、緑や桃色、青など多彩です。看護師の象徴でもあったナースキャップもほとんど使われていません。
これらの変化は、医療機関の衛生管理技術が向上したことや、看護師の働き方の多様化が大きく関係しています。医師や看護師などの医療従事者が白衣を着用する大きな理由は、わずかな汚れも見逃さないためでした。汚れに混在する細菌が、重篤な健康被害をもたらしてしまいかねないのです。
しかし、現在では衛生管理の技術が進んだことにより、わざわざ白衣を着る必要性が薄れました。むしろ、汚れが目立つ白衣は見栄えが悪くなる欠点があるとされ、敬遠される傾向さえあります。そのため、汚れが目立ちにくい、緑や青などの暗色系のユニフォームが好まれているのです。
デザインがパンツスタイルになったのは、従来のワンピースでは足を動かしにくく、移動に不便であることが理由として挙げられます。また、足がむき出しになるので冷えやすく、血液や汚物の付着による感染リスクが大きいことも問題視されました。看護師の安全を守るという意味でも、ユニフォームがパンツスタイルになっていくことは理にかなっているのです。